ショパン入門用おすすめCD
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ショパンという作曲家の名前は誰でも知っていると思いますが、実際どんな曲を作曲したのか、 今まで何となく気にはなっていたけど、よく分からずに過ごしてきてしまった、でもやっぱり気になる、 CDを探してみたけど、似たようなCDがたくさんあって、まず手始めに何を聴いたらよいのかが分からない、 そんな皆さんに、ここではショパンの入門として、管理人がおすすめするCDを何枚か紹介します。

ショパンの有名な曲として挙げられることが多いのは、一般的に次のような曲です。

華麗なる大円舞曲       : 華麗で優美なテーマが次々に登場する華やかなワルツ
小犬のワルツ         : 右手が高速に駆け回る有名なワルツ。ピアノの発表会の定番。
ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2  : ショパンの哀愁、美しい詩情が漂う絶品。
マズルカ第5番変ロ長調Op.7-1 : 愉快で快活な農民の素朴な舞曲。
別れの曲           : 映画などでもよく使われる超絶的に美しい旋律の逸品。
革命のエチュード       : ショパンの怒りを音にしたと言われる激しい曲。とても有名。
黒鍵のエチュード       : 右手が黒鍵ばかり弾く練習曲。
葬送行進曲          : 大昔テレビゲームのゲームオーバーの音に使われてもいた。
ノクターン第2番変ホ長調Op.9-2: 美しい旋律が魅力。ショパンのノクターンと言ったらこの曲、というほど有名。
ノクターン第20番嬰ハ短調遺作 : 哀愁漂う旋律が涙を誘う。「戦場のピアニスト」でも使われた。
雨だれの前奏曲        : 雨音、滴のしたたる様をピアノの音で表現した詩情豊かな名曲。
前奏曲第7番イ長調Op.28-7   : 某胃腸薬のテレビCMでも古くから使われている短い作品。
軍隊ポロネーズ        : 力強い和音が圧倒的迫力で迫る充実した作品。
英雄ポロネーズ        : ピアノ曲の王様的存在。ショパンの愛国心が高々と響き渡る最高傑作。

曲名を眺めてみると、ああもしかしたらこの中のうちいくつかは聴いたことがあるかもしれない、 と思った人も多いのではないでしょうか。いや、実際に聴いたことがあるはずです。 テレビCMでも、何かのBGMでも、ショパンのこれらの名曲は結構よく使われているので、 知らず知らずのうちに耳に入ってきていて、記憶のどこかに埋もれていることが多いと思います。 某胃腸薬のコマーシャルの音楽、大昔のテレビゲームのゲームオーバーの音、 ドラマ「101回目のプロポーズ」で使われた曲、大昔の「赤い激流」で使われた曲、 「戦場のピアニスト」で使われていた曲、などなど、 ショパンの曲は色々なところで使われて、一般的にもよく知られています。 最近では「のだめカンタービレ」で使われたショパンの曲も多いです。 う〜ん、でもまた実際に聴かなければ思い出せないな・・・と思った皆さん、 行動あるのみです。CDを買って実際に聴いてみれば、「あ、これ、あの曲だ」と ピンとくると思います。これは大きな楽しみとなること請け合いです。

そこで、管理人がおすすめするCDを何枚か紹介します。 どれを選んでも大差ない?いや、そんなことはないです。 曲を弾く人(=ピアニスト)によって、同じ曲でも様々に変化します。 入門者用としてふさわしいと僕が考えているのは、何よりピアノの響きが美しい(弾く人によってピアノの音色は違います)、 分かりやすい、そして芸術性も高い、という条件です。 これらの条件に合致するCDを以下3点紹介します。

@ショパン名曲集(ピアノ=ヴラディーミル・アシュケナージ)

ショパン名曲集
(ピアノ=アシュケナージ)

やはりショパン入門用CDのファーストチョイスはこれで決まりでしょう。
アシュケナージは1937年旧ソ連生まれの名ピアニストです。美しい音色と優れた技巧を持つ世界的な一流ピアニストで、 ショパンの名曲を、美しい音色で極めて流麗に分かりやすく聴かせてくれます。 特に「ピアノの詩人」と言われたショパンの旋律美を きめ細やかで繊細な表情付けをして、僕たちに最高の形で送り届けてくれます。 ショパンのピアノ曲はこんなにも美しい、そしてその一方で力強い、 そんなショパンの作品のあるべき姿をそのままの形で送り届けてくれます。 極めて高い水準で誰もが納得・満足できる、そんな演奏です。 ショパン入門CDのファーストチョイスで迷っている方には、このCDが一押しです。

収録曲:
華麗なる大円舞曲
小犬のワルツ
ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2
幻想即興曲
別れの曲
黒鍵のエチュード
革命のエチュード
木枯らしのエチュード
雨だれの前奏曲
ノクターン第1番変ロ短調Op.9-1
ノクターン第2番変ホ長調Op.9-2
舟歌
子守歌
マズルカ第5番変ロ長調Op.7-1
軍隊ポロネーズ
英雄ポロネーズ


Aショパン名曲集(ピアノ=スタニスラフ・ブーニン)

ショパン名曲集
(ピアノ=ブーニン)

上記のアシュケナージとは一味違うのがこのブーニンの演奏です。 ブーニンは1985年のショパンコンクールで文句なしの優勝を勝ち取り、当時は1世紀に1人の天才とまで言われたことがあるほどの天才ピアニストです。 ブーニンはシャープな美音でアシュケナージよりも鋭い輪郭を持って立ち上がってくる音色が持ち味のピアニストで、 粒のそろった音の連続は有無も言わさぬ説得力を生み、切れ味鋭く個性的で現代感覚のショパン演奏を聴かせてくれます。 ブーニンの手にかかるとショパンの作品は自由自在に変化し、ブーニンの強い個性が前面に出ることがありますが、 それがこの演奏の魅力でもあります。 こちらの方があるいは質の高い演奏かもしれません。要は好みの問題と言うことで、これもおすすめの1枚です。 (但し定番の英雄ポロネーズが収録されておらず、バラード1番、スケルツォ2番のようなより本格的な曲が収録されています。)

収録曲:
雨だれの前奏曲
ノクターン第2番変ホ長調Op.9-2
幻想即興曲
別れの曲
黒鍵のエチュード
革命のエチュード
木枯らしのエチュード
バラード第1番ト短調Op.23
華麗なる大円舞曲
小犬のワルツ
ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2
ワルツ第9番変イ長調Op.69-1「別れのワルツ」
スケルツォ第2番変ロ短調Op.31
葬送行進曲(ピアノソナタ第2番〜第3楽章)


Aショパン名曲集(ピアノ=タマーシュ・ヴァーシャリ)

ショパン名曲集
(ピアノ=ヴァーシャリ)

演奏者のタマーシュ・ヴァーシャリはハンガリー出身のピアニストで、リスト国際コンクールで優勝していますが、最も得意としていたのがショパンです。 ピアニストとしての知名度は高くなく「知る人ぞ知る」存在で、隠れた名ピアニストといった存在です。 ヴァーシャリはショパンのスペシャリストと言ってもよい存在で、そのほとんどのピアノ曲を録音していますが、 このCDではその中から特に有名なショパンの名曲がピックアップされています。 素朴で飾り気のない演奏からはショパンの詩情が自然に滲み出てくるようで、 適度に自由でありながらショパン本来の美しさが最も自然な形で耳に入ってくるタイプの演奏です。 これと言った強い個性はありませんが、ピアニストの個性を聴いているのではなく作品本来の「良さ」を 聴いているとも言える優れた演奏です。こうした演奏は入門には非常に適しているとも言えます。 (余談ですが、管理人はこの人の弾く英雄ポロネーズに感動して、「英雄ポロネーズを弾けるようになるまで 絶対にピアノをやめない」と誓った経緯があります。 その英雄ポロネーズもこのCDに収録されています。興味のある方は是非。)

収録曲:
幻想即興曲
ノクターン第2番変ホ長調Op.9-2
ノクターン第20番嬰ハ短調遺作
雨だれの前奏曲
小犬のワルツ
ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2
英雄ポロネーズ
子守歌
マズルカ第5番変ロ長調Op.7-1
別れの曲
黒鍵のエチュード
革命のエチュード
木枯らしのエチュード
バラード第1番ト短調Op.23

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