ショパン演奏
〜ショパン・即興曲〜
 
即興曲第1番変イ長調Op.29:演奏時間 4' 08''

ショパンの即興曲の中では比較的よく知られている曲です。3部形式で、主部は右手、左手ともに3連符が続きますが、 音型は一定ながら、転調によって微妙な陰影を作り出していて、感興豊かな音楽です。 中間部は主にへ短調と変イ長調によって書かれていて、中間部後半は、単純なテーマが繰り返されるたびに 少しずつ複雑なパッセージへと変奏されていきます。この曲はショパンの即興曲の中では技術的に最も易しいため、 ピアノ学習者のショパン入門用としてもよく使われているようです。

即興曲第3番変ト長調Op.51:演奏時間 4' 50''

内省的で詩情豊かな即興曲です。華やかさがないために地味で目立たない存在ですが、 シンプルながら深い内面性と簡素で上品な響きを持った詩的な佳作です。 曲はやはり3部形式で、3連符を基調にしているところは即興曲1番と同趣向です。 実際、出だしの序奏は即興曲1番の右手の音型との類似性がしばしば指摘されます。 主部は右手の単音で主題が示された後は、この主題が主に6度(3度、4度を含む)の重音を伴って繰り返され、 美しい旋律に厚みと彩りを添えます。その合間には美しい間奏的な楽句も登場します。 中間部は主声部が左手に移動し、基本的には右手の伴奏音型が3連符(1つ目は休符になっていることが多い)、 主旋律を受け持つ左手が主に4分音符、8分音符と、複合リズムとなっていて、慣れないとリズム的には若干難しい部分です。 主部の再現は間奏句を除いて短く行われます。

即興曲第4番嬰ハ短調Op.66「幻想即興曲」:演奏時間 4' 47''

この曲もショパン・名曲集の定番の作品ですね。ピアノを習う人が一度は憧れる曲ではないでしょうか? 特に主部の嬰ハ短調のパッセージは、この曲を初めて聴く人には衝撃ではないか、と思います。 しかも、実際に取り組んでみると、多くの人が、右手と左手のリズムが合わないことにさらに衝撃を受けるのではないかと思います。 この複合リズムは、慣れれば大丈夫ですが、右手のパッセージそのものが難しく完璧に弾きこなすのは至難の業ですね。 まだ納得できるレベルではないですが、妥協ラインをわずかに上回る録音がとれたため、アップすることにしました。