ショパン演奏
〜ドビュッシー〜
 
アラベスク第1番ホ長調:演奏時間 3' 30''

この曲の冒頭部分はテレビCMなどでよく使われているので、皆さんも案外知っているのではないでしょうか? ドビュッシーは時代とともに、徐々にフランス近代の作風に変化し、調性感が希薄な作品を書くようになりますが、 この作品は、初期の作品ということで、ロマン派の影響がかなり残っています。でも美しく斬新なハーモニーは やはりドビュッシー特有のものですね。

ベルガマスク組曲〜第1曲「前奏曲」:演奏時間 3' 36''

ドビュッシーのベルガマスク組曲は4曲からなり、特に第3曲「月の光」が有名ですが、 その曲集の幕開けとなるのが、この曲「前奏曲」です。 初期の曲ですが、ドビュッシーの個性が随所に現れていて、幻想的で美しい和声が随所に現れています。 力強い和音や速いパッセージもあり、適度に華やかで聴きばえのする曲であるため、 ドビュッシーのピアノ曲の中でも人気の高い曲です。

月の光(ベルガマスク組曲〜第3曲):演奏時間 4' 53''

ドビュッシーの作品の中で最も有名な曲だと思います。 8分の9拍子という不思議な拍子と不安定な調性、そして、中間部で求められる 独特の演奏技法。冴えた音色を出すのも難しいですし、ルバートも多用する必要もありますね。 技術的にも音楽的にも耳に聴こえるほど易しくない曲です。特に中間部のアルペジオの粒を揃えるのに神経を使う必要があり、 精妙に演奏するのが大きな課題だと思いました。

夢想:演奏時間 4' 13''

響きが非常に美しい曲で、「夢想」または「夢」として一般に親しまれているドビュッシーの人気曲の1つです。 ドビュッシーのピアノ曲としては初期の作品に属し、調性は比較的はっきりしていますが、 ピアノの繊細な響きを駆使して陰影に富んだ幻想的な音の世界を作り上げています。 聴いていると眠くなる、という結果は同じでも、「退屈で」というのではなく「響きが心地よくて」という 演奏が理想ですね。

亜麻色の髪の乙女:演奏時間 2' 35''

この曲は前奏曲第1巻(全12曲)の中の第8曲で、何故かこの曲だけが非常に有名なため、単独で演奏されることも多いです。 音の数の少ない、ゆっくりしたシンプルな曲で、技術的にも易しい曲ですが、ドビュッシーの音楽の響きの美しさが味わえる曲です。 アラベスク1番、月の光、夢想よりも難易度が低く、短期間で取り組む曲として最適です(ただ演奏効果は低いので、 発表会で演奏される機会は少ないようです)。

レントより遅く:演奏時間 4' 25''

速度指示がそのまま曲名となっていますが、実はこの曲はワルツ(と言ってもフランス風の「ヴァルス」)です。 ドビュッシーの作った数少ないワルツの1つで、ドビュッシーの曲としては一般によく知られている曲です。 ゆっくりとしたテンポで、幻想的なハーモニーが美しい曲ですが、難易度的にも非常に易しく、気軽に取り組むことができます。 個人的には前半、変ホ長調で盛り上がる部分までが好きです。