ショパン演奏
〜シューベルト〜
 
即興曲変ホ長調Op.90-2
演奏時間 4' 22''

シューベルトの即興曲の中では、Op.90-4とともに、ピアノ発表会定番の人気曲です。 作品90の4曲の即興曲の中で、最も高度の演奏技術が必要とされる曲で、その分華やかで演奏効果が高いため、 演奏される機会が多いです。主部は右手が絶え間なく高速に動き回り、いわゆる常動曲(無窮動曲)の一種と言えます。 この曲は、音の粒を揃えるのに神経を使いますが、使用しているピアノのアクションに問題があり、 通常のテンポでは音の粒の不揃いが耳につくため、苦肉の策として、かなりのアップテンポで弾き飛ばすことにしました。 この曲本来のテンポはもう少し遅く、特に主部の中ほどの短調で始まる部分は、もっと暗い影が差すような雰囲気を出さないと いけないと思います。また機会があったら、ピアノを代えて取り組んでみます。

即興曲変ト長調Op.90-3
演奏時間 5' 47''

シューベルトの即興曲の中では、Op.90-2,4に次いで演奏される機会の多い曲で、 シューベルトの即興曲の中で、最も即興曲らしい曲ではないかと個人的には思います。 息の長いロマンティックで美しい旋律が、右手の分散和音の内声と左手の低音のバスの双方に支えられて流れていきます。 あくまで旋律は右手の最高音にあることが多く、この旋律を際立たせ、右手の内声部ときれいに弾き分ける必要があると思います。 技術的には変ホ短調で始まる中間部がやや難しいですが、運指を工夫するとミスタッチの確率を大幅に下げることができます。

即興曲変イ長調Op.90-4
演奏時間 6' 46''

シューベルトの即興曲の中で、Op.90-2と並んで最も演奏される機会の多い人気曲です。 高音から駆け降りてくるアルペジオの連続音型と直後の短い連続和音の単位が形や調性を変えてしつこく繰り返され、 印象的な曲調です。アルペジオの連続は連打を含んでいて、繰り返されるたびに黒鍵と白鍵の位置関係が変わるので、 きれいに粒を揃えるのに多少神経を使う必要があります。中間部は嬰ハ短調となり雰囲気が一変し、やるせない情熱が 込められています。主部が戻ってからは1度目とほとんど同じものが繰り返されて終わります。

楽興の時第3番Op.94-3
演奏時間 2' 04''

この曲も有名ですね。左手は低音(単音)+和音という一定パターンの音型、一定のテンポを保ったまま、淡々と進みますが、 スタッカート、スラー、アクセント、スフォルツァンド、レガート、マルカートなどを駆使してメリハリをつけるのが この曲の表現の面白さだと思います。曲の性格上、弾く人によって大きな違いが表れにくい曲ではあると思いますが、 難易度も低く親しみやすい曲ではあると思います。