ショパン演奏
〜シューマン〜
 
子供の情景〜トロイメライ
演奏時間 2' 17''

この曲も、もう誰もが知っていると言っていいほど有名ですね。トロイメライは、「子供の情景」という曲集の中の1曲で、 楽譜にして1ページと極めて短く、また技術的に易しい曲です。シューマンの曲らしく拍子が取りにくいですが、 きちんと拍を数えた上でルバートをかけて歌うと、聴かせられる演奏になると思います。

謝肉祭〜第12曲「ショパン」
演奏時間 1' 14''

謝肉祭はシューマンの代表作の1つで、21曲の小曲から構成されていて、本曲はその第12曲です。 何故「ショパン」?と首をかしげる人もいるかもしれませんが、シューマンはショパンを「天才」と認め、尊敬していたようです (逆にショパンはシューマンの芸術家としての在り方を軽蔑していた節がありますが…)。 この曲は、そんなシューマンが、尊敬するショパンの肖像を音で表したもので、左手の幅広い音域の伴奏の上に 流麗で感傷的な旋律が流れるもので、まさにショパンの象徴である「ノクターン」そのものです。謝肉祭の全曲を初めて聴いた時に、 もっとも印象に残ったのが、この曲と最終曲だったので、あえてこの曲を取り上げてみました。

幻想小曲集〜第1曲「夕べに」
演奏時間 4' 14''

シューマンの幻想小曲集は8曲の小品からなり、全体的に夕方から夜の雰囲気を醸し出す音楽となっています。 この中で第1曲は「夕べに」というタイトルの曲で、8分の2拍子という拍子を用いながらも、1拍は3連符で構成され、 2音毎に旋律が奏されるという複リズムとなっている点がユニークです。こうしたリズムへのこだわりも シューマンらしさを感じさせます。しかしそうした理屈はともかく、たそがれ時を思わせる恍惚とした旋律が美しく、 夕暮れ時の静かな時の流れを感じさせる幻想的な1曲です。

幻想小曲集〜第2曲「飛翔」
演奏時間 3' 25''

この曲は、第1曲とは対照的な性格を持つ曲で、激しく情熱的です。 右手の和音は短10度まで要求されるため、ある程度の手の大きさが必要になることに加え、 右手で弾く16分音符の連続する部分も技術的に弾きにくい部分です。 このような類の独特の弾きにくさはシューマン独特のものです。 この曲は、ピアノのレッスンでも取り上げられる機会の多い曲なので、ピアノの学習経験を持つ人の間では、 そこそこ知名度のある有名な曲です。

「ミルテの花」〜第1曲「献呈」:リスト編曲
演奏時間 3' 30''

歌曲集「ミルテの花」は、シューマンが、愛するクララとの結婚の前夜に捧げた愛の歌ですが、 その中でもこの第1曲「献呈」は特に親しまれており、リストのピアニスティックな編曲により、 この作品のロマンティックな旋律が、一際華やかで聴き映えのする情熱的な音楽に生まれ変わっていると思います。 むしろこのリスト編曲の方が独り歩きしている感すらあるほどです。 この曲は旋律部が途中で左手に移るなど、各声部の音量のコントロールが結構難しいです。 後半の華やかな部分もリスト編曲ならではです。 もう少し遅いテンポで丁寧に静かに弾く人も多いようですが、曲調から考えて、個人的には大音量で華やかに 弾き飛ばす方が演奏効果が高いこのリスト編曲にマッチしていると感じたので、 後半はかなり熱い弾き方をしました。

※シューマンで今後アップ予定の作品
謝肉祭〜最終曲・他
クライスレリアーナ第1曲・他
もちろんこれで終わりではないと思いますが・・・